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【龍騰行動2021】中国の知的財産権保護の強化
投稿日:2021.03.19更新日:2021.05.07
カテゴリー:海外事業
目次
中国の知的財産権問題
中国の知的財産権問題とは、ブランド製品の偽物やゲームのコピー品、意匠権侵害などが横行している問題で、これらの市場は大規模で、中国の地方経済を支えているとまで言われており、その取り締まりの実効性に疑問が投げかけられてきたのも事実です。
これらのコピー品は現在も横行しており、警察とのいたちごっこが続いています。
龍騰行動2021とは?
龍騰行動とは、龍の様に勢いよく盛んにという意味で、中国全土の税関で行われる知的財産権保護を展開するキャンペーンのことです。
中国政府の発表で、2021年3月1日からスタートし、現在も強化期間です。
このキャンペーンは2017年から始まり、2019年に2回目、今回で3回目となり、毎度一定の効果を上げてきており、2019年の龍騰行動では192万点ものコピー品が押収されたとのことです。
方法は単純で貨物が税関を通る際、現地税関検査員が直接開けて確認します。
もし発見された場合は没収され、製造工場が処罰を受けることになり、コンテナの場合は港停滞料として1日3万5000円の支払いが命じられます。
仮にコンテナを開けられて何もなかったとしても、1日停滞すれば料金を支払わなければなりません。
香港・マカオなどの中継輸出も重点的に監視を強化しています。
もし知的財産権に関わる商品の中国輸出を考えている方は中国税関商標電子登録をお勧めします。
近年の中国コピー製品
そもそも「パクリ」のイメージが広まるようになったのは、2001年に中国が世界貿易機関(WTO)に加盟して以降、中国に進出した外資企業のハイテク製品を含めて工業製品の輸出が急増し「世界の工場」となってからです。
コピーと言っても、海外企業のライセンス契約を受けている中国の工場が商品を余分に製造して横流ししている場合もあり、外国人観光客の中でも中国でモノを買うなら海外ブランドの偽物が、一番コスパがいいと愛用している人も少なくありません。
最近ですと、規制の強化もあり露骨なコピー商品は街角から姿を消しましたが、昨年米国が発表した報告書では「世界のコピー商品の63%が中国由来」と非難しており、直近ですと模造マスクが出回りました。
規制をすれば対策され、いたちごっこになる現状
また、偽物を国外へ輸入する業者の手口も巧妙化しており、財務省が会見で例を挙げたのが、一見シンプルなデザインのスマホケース。よく見ると塗装が一枚はがれるようになっており、はがした下からは、米アップル社の「リンゴマーク」が出現するなど発覚を逃れようとするケースが多々あるみたいです。
業者としては、ブランドのコピー商品は価格を相場より割高に設定でき、仕入れも安い為、数回ほど差し止められても十分に採算が取れるとのことです。
「上に政策あれば下に対策あり」と古くから言われるように、これらの規制は必ずしも庶民には浸透しないと思われます。